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四季の展示「心弾む文様」
きものに描かれた文様は変化に富んで美しいものです。草花を描いた植物文、風景や動物、器物など森羅万象あらゆるものが文様になっています。
今回は調査研究室の文様裂の中から“心弾む”をテーマに選び出し展示いたしました。
桜花の開花から散りぎわまでの花に寄せる思い、雅びな誰ヶ袖文、子供の成長を願う端午の節句を思わせる文様。野球の開幕はいつから?打出の小槌からは何が出てくるのでしょうか。四ツ葉のクローバーを見つけた時のわくわく感などなど。
それぞれの文様の中の情景に思いを馳せながらご覧ください。
枝桜 モスリン 長襦袢
空色に枝桜が宴を催すように、吉野山や嵐山などの桜の名所にお花見に出かけたくなります。桜は平安時代から人々に愛され季節を象徴する文様に用いられてます。
野球 錦紗縮緬 子供長着
開幕戦を楽しみにしている、ワクワク感が伝わります。ジャイアンツ、タイガーズ。ブレーブスはMLBの最古の球団だそうです。
神楽鈴 金嚢(きんのう) 二越縮緬 長着
福徳を招く吉祥文様である金嚢や打出の小槌が、神楽鈴や軍配団扇と共に紐で繋がり、リズミカルに配されています。鈴なりの幸福が訪れそうです。
バラ モスリン 羽織
明治、大正の洋式に伴い、和服の模様にもアールヌーヴォーが取り入れられ、目がさめるような色使いのバラを大胆に描きました。バラは見た目の優雅さと気品のある香りで人々を魅了しています。
武具 平絹 長着
鎧の両肩と足を守る為につけられた毛縅と、革に藍で白く小さな菖蒲を染め抜いた菖蒲(尚武)革は、甲冑や武具に広く用いられました。「いざ出陣、エイエイオー!
冊子と花の丸 二越縮緬 長着
春を感じる明るく淡い色使いに流水が爽やかさを添え、丸文に雪輪、冊子、桜や藤の様々な花を描いた文様です。
宮中の設い 二越縮緬 長着
古の宮廷内に几帳、屏風を間仕切りにし、棚、文机、火鉢など雅びな文様の道具はこの家の女主人を心豊かに支えたことでしょう。
祭り モスリン 長着
舟に提灯を立て、御輿もきれいに化粧をしました。あら!童子達が祭りを待ち切れず、飛び出して来ましたよ。そんな心おどる図柄の男児の着物地です。
桜に手毬 モスリン 長襦袢
一、二、三、満開の桜の下、子供達が手毬で遊んでいます。ほら、聞こえませんか。楽しそうに笑う声が・・・・そんな心もはずむ長襦袢地です。
花舟 紋錦紗 長着
青紫地に白の花菱が配された文様です。
標色地にかすかにみえる立涌文は有職文様として格調高い。流水に浮かぶ、寄りそう舟に桜などが描かれ、これから楽しい事がありそうな予感!お花見でしょうか。
花鼓 錦紗縮緬 長着
花の中の鼓がいかにも優雅な雰囲気を出して素敵です。鼓など和楽器の文様は美しい音色が鳴ることから、見事な実が成るという意味にかけて、おめでたい吉祥文様なのです。
桜祭り モスリン 長着
桜は五穀豊穣の神が宿る木とされています。春の風にあちらこちらの鈴が歌い、八重桜が豊作を願い踊っている様に揺れています。
四ツ葉のクローバー、春の妖精 二越縮緬 羽織
新しい季節がやって来る。春風が吹き、桜が咲き、緑が萌え、鳥がさえずり、蝶たちが舞う。四ツ葉のクローバー見つけ、今年もすてきな福が来ますように。
流水に花舟 二越縮緬 長着
お花見しませんか、桜の花びらが春を装う。日本の季節の中で一番の盛り。風が吹き、花吹雪を舞わせ、ゆく春を謳っている。今が一番、春っていいなあー。
短冊に桜 羽二重 羽裏
お花見は春の訪れを寿ぐ日本古来の風習であり、生きる喜びや希望など沢山のパワーを与えてくれます。そんな美しい桜をながめつつ、今年は短冊片手に俳句を一句。