今日の半衿の形式は、結髪の普及と密接な関係があり、もっぱら本衿の汚れを保護する実用目的によるものであったことが※「守貞漫稿」に記述されています。 明治、大正期には女性のきものの色や柄が地味であったため、半衿に模様をつける …
季節はめぐり秋の訪れとなりました。虫の声も聴かれ、稲も色づき頭をたれています。このような季節の情景はきものの文様にも写し取られています。 豊かな実りをもたらしてくれる収穫の秋、灯火親しむ読書の秋、スポーツや芸術も楽しく・ …
東西に位置する日本には春夏秋冬の四季があります。日本人は、その四季の移り変わりを敏感に感じ取りそれぞれの季節の美しさを見出しています。日々の生活の中の二十四節気や季節の歳時などの細やかな季の変化を取り入れ、文字や俳句、音 …
かつて農耕民族であったわが国では季節の移ろいの中、鳥やさまざまな身近かな動物と共に暮らしてきました。 鳥は天と地を行き交う生きものとして表され 紋様として花などの植物や風景・天象文などと組合わせることで季節感を感じさせて …
平成30年新春 今年の干支は戌(いぬ) 年明けに相応しい 松竹梅、宝尽し、四君子(竹・梅・菊・蘭)などの吉祥文様を中心に掲載いたしました 文様から梅の香や春告鳥のうぐいすの声も聴こえてきそうです 春めくとともに気温が上が …
菊花を愛(め)でる 菊花は天平(奈良)時代に中国から(唐)伝わり、姿・色・香りの優れているところから日本人にも愛好され、観賞花の雄とされています。 菊は秋を代表する植物で春の観桜とならび秋の観菊として親しま …
生きとし生けるもの 動物文 動物崇拝などから動物を文様に描写することは古くからありました。 正倉院に残る西方伝来の動物文は獅子や龍のような想像の獣で逞しい姿をしています。 農耕民族であった日本の動物文は身近 …
自然・気象文 豊かな四季に恵まれた日本。美しい自然風景は人々の歌や絵心をかきたたせます。そして雲・霞・雷・雪などは季節の変化を知らせてくれます。 森羅万象のあらゆるものが紋様にされていますが、形があってない …
飛翔(ひしょう) 今年は十二支十番目の酉の年です。動物ではにわとりに当たります。 にわとりは「古事記」にもあるように天の岩戸神話で天照大神を呼び出すために鳴いた鳥です。 また刻を告げる神の鳥として身近にいながら、大事にさ …
秋に誘う(いざなう) 秋は爽涼。大気が澄んで、月明りや虫の音を楽しむ季節です。菊花も咲き、五穀が豊かに実る豊穣の時期でもあります。 菊は中国より長寿の源の薬草として伝わりましたが、今日では、観賞用として楽しまれています。 …
半衿は時代とともに変わっていきました。 明治・大正期には地味なきものに美しい半衿をたっぷり見せ、華やかに装う美意識がありました。 大正期には特に“流行は半衿からうまれる”とまで言われ、友禅染や刺繍を施したものなど、色彩豊 …
文様は一種類だけではなく複数を取り合わせて表現されることが多いものです。 一対の様に扱われ、植物と動物を取り合わせた文様として “梅に鶯” “牡丹に唐獅子” 桐に鳳凰” などは相性が良い文様とされています。また、取り合わ …