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和裁からのワンポイントアドバイス

着物は裏地をつけない単衣と、裏地をつけた袷があります。

袷仕立ての着物は保温効果や表地の補強、また、すべりが良く着やすいという利点があり、十月から五月まで着用し、六月から九月までは単衣を着用します。

女物の袷の裏地は胴裏と裾まわしで構成されていますが、中には通し裏と言い、肩から裾まで胴接(は)ぎをせず同じ布を用いるものや、裾まわしのみをつける胴裏抜き仕立てのものもあります。

着物は胴裏も裾まわしも表地の材質に合ったものにしますと、身体になじんで着やすくなります。

 

胴裏には羽二重(並巾)、輸出羽二重(広巾)、白絹、紅絹などがあり、現在では輸出羽二重が多く使われています。表地が化繊のものであれば、裏地も化繊のものをつけます。

 

裾まわしは、裾取り、裾裏、八掛とも言い、表地に適した色、材質、丈夫さや裾さばきを考慮して選ぶと良いでしょう。

表地が白地や淡い色の場合には、縁だけをぼかし染めにしたものを用いますと、胴裏と裾まわしの境目が表地にくつきりと写ることがなく、着姿も美しいものです。

ぼかし染めにした裾まわしは、額裾とも言います

 

八掛の八は衽、前身頃、後身頃、衿先に左右二枚ずつ合計八枚に裁ったところからつけられたもので、現在では袖口にも同じ布をつけるようになり、十枚栽ちとなっています。

袖口や裾にわずかにのぞく表地に合った色合いは、年齢や季節感などを表わし、帯揚げや帯締めなどの小物とのコーデイネイトも楽しいものです。

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